CSR 2021年の活動報告

2021年度もアクアプログラムでは、深刻な水問題に直面するバングラデシュの水供給を改善する活動を行いました。 [プロジェクト内容] バングラデシュの南西に位置するモレルガンジ郡は行政による水道サービスがなく、人々は池や井戸の水を利用していますが、水質が良好ではなく、特に飲み水の確保が困難な状況です。
アクアプログラムでは、雨水を利用して安定的かつ安全な飲み水を確保するため、2016年度より毎年この地域に雨水貯留タンクを設置、また、意識啓発や維持管理トレーニングを実施する活動を行っています。
この活動により、住人たちは安全な飲料水を手に入れることができ、水の購入にかかる費用や水に起因する病気の治療代の軽減、女性や子どもたちの水汲み労働の削減につながっています。
2021年度も新型コロナウィルス感染症の対策を講じながら、合計100基の雨水貯留タンクの設置を行い、モレルガンジ郡の住人233名に対する水供給の改善に貢献いたしました。

実施地 : バングラデシュ (クルナ管区バゲルハート県モレルガンジ郡)

実施団体 : Skywater Bangladesh(SBL)

[受益者の声]

夫と体が不自由な義理の父、12歳の娘と暮らしています。結婚して13年間、毎日1.5キロ先の池まで水を汲みに行っていました。池の水を飲み水としているため、様々な病気にかかることもありました。人力車の運転を職業とする夫の収入では、毎日 3食食べることも難しいのに、誰かが病気になったときにどうやって薬を手に入れればよいのでしょう。義理の父には持病があり、その薬代が定期的にかかるため、ひどい病気でなければ、病院に行くこともできませんでした。
夫は1日中働いていますが、あまりに過酷な労働のため具合が悪くなって仕事に行けないこともあります。また、私の具合が悪い時には夫が水汲みを手伝ってくれるため仕事を休むこともあります。そのような日が続くと、食事を手に入れるのに十分な収入を得ることができず、そのためいつも貧しい暮らしをしています。
私が水汲みに行くときには、いつも娘に義理の父の面倒を見てもらっていました。 その間は娘が勉強をできないことは分かっていますが、他にどうすることもできませんでした。家庭教師を雇うこともできませんし、家族には上の学年まで勉強をした人がいないので、彼女に勉強を教えることもできません。私は貧しい家庭の出身で、娘が教育を受けられなければ 私と同じような未来をたどることは分かっています。娘が勉強している横に座っていてやりたいと思いますが、昼間の疲れですぐ眠くなり座っていることができません。もし1日2回も水を汲みに行かずにすめば、娘の面倒をもっと見ることができ、お金を稼ぐために何かを作って生活費を稼ぎ、娘のために家庭教師を頼むことができる。そればかりか、飲み水の問題もクリアできます。 私 は、隣人が アクアプログラムの雨水貯留タンクを使うことでこういった問題を解決したことを思い出し、早速夫と相談しました。
1年かけて負担金を貯めてアクアプログラム2021に参加しました。そして今年の雨季が始まるころ、タンクが我が家に設置されました。ここ1か月半ほど、安全でおいしい水を飲んでいます。もう水汲みに時間を使うこともなく、何マイルも水を運ぶ必要もありません。安全ではない水が原因で病気になることもなく、これまで必要だった薬代は教育費に充てられます。娘の面倒を見ることもできて、私は世界一幸せです!今の私の夢は、娘が医者になることです。
アクアプログラムの支援なしには、タンクを手に入れることはできませんでした。この感謝の気持ちは忘れません。

バングラデシュについて
バングラデシュについて
  • 面積147,000平方キロメートル

  • 人口約1億6,468万人(2020年)

  • 首都ダッカ

  • 民族ベンガル人が大部分を占める

  • 言語ベンガル語