Project Story 02 / 
プロジェクトストーリー

ブランドの正体を隠した匿名宝飾店とは

Introduction

『匿名宝飾店』について

Project Member

プロジェクトメンバー

  • 2000年入社 /
    販売促進課 / 課長
  • K・R
  • 2018年入社 /
    販売促進課 / 参与
  • S・S
  • 2017年入社 /
    4℃ジュエリー営業企画課 / MG MD
  • O・F
ブランド名を伏せて、純粋にジュエリーを楽しんでもらいたい

23年9月に実施された匿名宝飾店とは、どのようなプロジェクトだったのでしょうか。

K・R

9月8日から24日にかけ、原宿のキャットストリートにブランド名を伏せたジュエリーショップをオープンさせました。ブランド名のバイアスなしに、ジュエリーそのものを見て、触れて、楽しんでいただきたいという想いのもと実施した施策が、この匿名宝飾店です。
4℃は22年に50周年を迎えた日本発祥のジュエリーブランドです。「女性が身に着けて心が満たされるジュエリーを作りたい」という想いのもと、1972年に誕生しました。現在では4℃以外にもサステナブル素材を使用したブランドやジェンダーレスのブランドなど、いくつものブランドを展開しています。
私たちは4℃という軸となるブランドの進化とともに新しいチャレンジをしながら、モノづくりにこだわってお客様にジュエリーを届けてきました。しかし、昨今はSNSの普及に伴い、ブランドのイメージが固定化されやすくなってしまっています。そんな今だからこそ、蓄積されたイメージを離れて純粋にジュエリーを楽しんでいただきたいと考えました。そこで、あえてブランド名を隠し、まっさらな視点でジュエリーを手に取り、試着していただく体験の場を作ることにしたのです。

S・S

4℃というブランド自体は多くの方に認知していただいているのですが、ジュエリー自体の魅力となると、なかなか伝わっていない状況がありました。昔のイメージで止まっていて、今のジュエリーを見てもらえていない。そこで、まずはジュエリー自体の魅力を体験してもらいたいと考えたのです。
企画段階で代理店にいくつかプランを提案してもらったのですが、その際に代理店の方たちにも「4℃のブランドは知っていたけれど、こんな素敵なジュエリーがあるとは新鮮な発見だった」と言われました。そこから、「発見感が味わえるように、ブランド名がわからない状態でジュエリー体験をしてもらおう」という戦略になり、最終的に匿名宝飾店という企画が生まれました。

ショーケースの外からではなく、直接手に取って試着するジュエリー体験

匿名宝飾店では具体的にどのような展示を行ったのですか。

K・R

会場は「展示」「試着」「撮影」「購入」などのエリアに分かれており、4フロア構成の広いギャラリーになっておりました。入口にはコンセプトボードを置き、「ブランド名からではなく、モノを見てジュエリーを選んでほしい」という匿名宝飾店のコンセプトを展示しました。二階にはお客様の指のサイズ、首の長さ、顔のかたち、パーソナルカラーなどの診断コーナーがあり、自分に合ったジュエリーがわかるカルテを作成できるようにしました。
三階ではジェンダーレス、サステナブル、ブライダルといった8つのカテゴリーにわけてジュエリーを展示しており、スイーツビュッフェのような形式で自由にジュエリーを手に取って試着していただけるようにしました。通常、ジュエリーショップではジュエリーがショーケースに入った状態で陳列されていますが、実際に試してほしかったので、あえてオープンスペースにして展示しました。
また、展示スペースの隣にはフォトブースを設け、インスタント写真を撮影してお渡し。最上階ではジュエリーを購入できる店舗をかまえました。

O・F

店頭のようにショーケースに入った状態で見ていただくのではなく、直接手に取って身に着けてもらうスタイルでしたので、陳列の仕方はいろいろと工夫しました。展示されていた商品は数百点にのぼるのですが、ジュエリーとジュエリーの間のスペースをゆったりと取ることで、一点一点が引き立ち、集中して見てもらえるように陳列しました。ブランド名は伏せていたので、すべてのジュエリーからブランドの刻印を消し、異なるブランドのモノをあえて混ぜて並べたりもしました。
また、4℃は細部にまでこだわってジュエリーを作っていますので、そういった細かいところまで見てもらえるように置く角度なども調整しました。リバーシブルで使えるものは両面が見えるように置いたり、リングの裏側までこだわって作っているというのがわかるように角度を調整したりしていましたね。

ポジティブな世論形成でブランドイメージの更新に成功

来場者の反響はいかがでしたか。

K・R

期間中は連日行列ができ、最終的に累計5,500名以上の方にご来場いただきました。9月8日から24日の会期でしたが、20日にはプレス発表を行い、「実は4℃でした」とブランド名を明かしました。発表後はSNSでものすごい数のコメントを発信いただき、ポジティブな世論形成ができましたね。

S・S

プレス発表後は「4℃が匿名宝飾店をやっている」というのがネットニュースにも上がりましたが、コメント欄には、みなさんが4℃にまつわる素敵な思い出を書き込んでくれており、自分たちの仕事がお客様の大切な瞬間に寄り添えているというのを改めて感じることができました。

O・F

私は店舗に立っていましたが、来ていただいた方々は、みなさん口々に「どこのブランドなんだろうね」と楽しみながら見てくれていました。ブランド名がわからなくとも、「このジュエリーかわいい、着けてみたい」と手を伸ばしており、商品開発をしている立場からすると大きな自信につながりました。
プレス発表する前にも、ご来場いただいた方には展示の最後にブランド名を明かしていたのですが、「4℃だとは思わなかった」という声が多かったので、ブランドイメージを更新していくのは大事なことなのだと実感しましたね。

K・R

来場された方のうち、2,000名くらいにアンケートを取ったのですが、「4℃のイメージが変わった」という方が全体の79.8%、その中で「イメージが良くなった」と回答された方は98.6%でした。
ブランドイメージは、良い商品やサービスを提供する中で自然に生まれてくるものと考えていますが、それだけでは4℃の商品やサービスに触れたことがない方には届かないことも実感しました。あらゆるお客様やまだブランドを知らない方に、これまで築いてきたブランド価値を工夫しながら届けることが重要だと感じています。
社内では当たり前のことになっている原点に基づいたことやモノこそ、丁寧に伝え、ブランドをあらゆる面で知っていただくことで価値を高められると再認識しました。
この「匿名宝飾店」をきっかけに、ブランドプロモーションを継続させることで世の中との接点を作り「4℃が好き」とポジティブな声を発信してもらえるよう、「身に着ける人の日常を輝かせるブランド」であり続けます。

Project Story

プロジェクトストーリー

01

ジェンダーレスブランド
「4℃ HOMME+」誕生の裏側

21年に誕生した新ブランド4℃ HOMME+。
D2Cのジェンダーレスブランドとして独自のテイストを持ったジュエリーを展開し、男性・女性ともに支持を広げています。

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