2023年度もアクアプログラムでは、深刻な水問題に直面するバングラデシュの水供給を改善する活動を行いました。
[プロジェクト内容]
バングラデシュの南西に位置するモレルガンジ郡は行政による水道サービスがなく、人々は池や井戸の水を利用していますが、水質が良好ではなく、特に飲み水の確保が困難な状況です。
アクアプログラムでは、雨水を利用して安定的かつ安全な飲み水を確保するため、2016年度より毎年この地域に雨水貯留タンクを設置、また、意識啓発や維持管理トレーニングを実施する活動を行っています。
この活動により、住人たちは安全な飲料水を手に入れることができ、水に起因する病気の治療代の軽減、女性や子どもたちの水汲み労働の削減につながっています。
2023年度は合計80基の雨水貯留タンクの設置を行い、モレルガンジ郡の住人164名に対する水供給の改善に貢献しました。
実施地 : バングラデシュ (クルナ管区バゲルハート県モレルガンジ郡)
実施団体 : Skywater Bangladesh(SBL)
[現地の声]
夫と3 人の子供たちとモレルガンジに住んでいますが、日雇い労働者として働き、家族を支えています。懸命に働いているにもかかわらず、清潔な飲料水を手に入れるのに苦労していて、息子と毎日1000メートル以上歩いて水を汲みに行かざるを得ませんでした。
数年前に4℃アクアプログラムのことを知ったのですが、経済的に困難だったのでAMAMIZU タンクに申し込めませんでした。私たちが汲でいた水は汚く、子どもたちはよく病気になっていました。水汲みに費やす時間は、息子の勉強や私の家事を妨げていました。なかなか難しい状況で、出口が見えませんでした。
2022年末、水汲みの最中に足を滑らせて転倒して、数カ月間まともに歩けないほどの大怪我を負いました。翌年、息子も水汲み中に2 度にわたって負傷しました。これらの事故から、もっと安全で信頼できる水源が必要だと思いました。政府から支給されるプラスチック製のタンクを検討してみましたが、物足りないと感じました。プラスチック製のタンクは割れやすく、夏の暑い日には中の水を清潔のままにも、冷たいままにも保てません。もっと丈夫で使えるものが良いと思い、AMAMIZUタンクの申し込みを決めました。
変化はすぐに現れました。以前は、私は息子と何時間もかけて水を汲みに行き、汚れた水で病気にならないかしらといつも心配していました。今は、家にきれいな水があります。子どもたちは健康になり、勉強する時間も増えました。息子は水汲みのために学校を休まなきゃいけないことはなくなり、私は家事を効率的にこなせるようになりました。たった1、2 ヶ月の間に、私たちの健康状態は大幅に改善されました。
AMAMIZUタンクは私たちの肩に乗っかっていた重荷を下ろしてくれました。私たちの生活は、想像もできないほど良い方向に変わりました。ご協力者に心から感謝します。
- バングラデシュについて
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面積147,000平方キロメートル
人口1億7,119万人(2022年)
首都ダッカ
民族ベンガル人が大部分を占める
言語ベンガル語