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金属アレルギーでもピアスは着けられる?症状、対策とは

July 16, 2021

ピアスを着けた時、金属アレルギーの症状が出る場合があります。しかし、金属アレルギーはピアスがいっさい着けられないわけではありません。アレルギーが出にくい素材を選べば、ピアスでのおしゃれを楽しめます。本記事では、金属アレルギーの原因と症状や確認方法、発症頻度が高い素材と低い素材などを解説します。

サムネイル

金属アレルギーの原因と症状

4℃のサマーコレクションピアス

金属アレルギーは汗などによって金属が溶け出し、体内に入り込むことで起こる反応です。まずは、金属アレルギーの原因や症状について解説していきます。

金属アレルギーの原因

アレルギーの原因となる物質は、アレルゲンと呼ばれます。金属アレルギーは、汗や体液などで溶け出した金属がイオン化し、体内のタンパク質と結合したものが原因。タンパク質と結合したイオンを、身体はアレルゲンと判断してしまうのです。アレルゲンが許容範囲を超えると、痒みや腫れなどのアレルギー反応が発生します。

金属アレルギーの症状

金属アレルギーは金属が触れていた部分に一致して、接触皮膚炎(いわゆる「かぶれ」)の症状が出ることが一般的です。金属が触れた部分に赤み、ぶつぶつ、水ぶくれなどが出現し、痒みを伴うのが一般的な症状です。身の回りで使用する機会のある金属を含む製品には以下のようなものがあります。

・ピアス、イヤリング、ネックレスといったジュエリー
・ベルトのバックルやジーンズのボタン
・ブラジャーのストラップ部分
・コイン
・眼鏡
・ビューラー
・革製品 など

金属アレルギーのあるひとは、金属に触れるたびに接触皮膚炎を繰り返し、結果として色素沈着や瘢痕(はんこん)を残すことがあります。また、特殊な金属アレルギーの症状として、歯科治療で使用している詰め物や食品など含まれる金属が生体内に吸収されることにより、直接接触している部分以外に症状が出現する全身性接触皮膚炎というものがあります。

金属アレルギーの確認や発症した時の対処方法

4℃のハートモチーフピアス

金属アレルギーを持っているかどうかは、皮膚科などで調べられます。ここでは、金属アレルギーを確認する方法と、アレルギーを発症した際の対処方法を解説していきます。

金属アレルギーを調べる方法

病院の受付場所

金属アレルギーを疑った場合、どの金属に反応するのか調べる必要があります。主に皮膚科で詳細な問診ののち、金属パッチテストを行って診断します。医療機関にもよりますが、一般的なジュエリーに使われている金・銀・プラチナをはじめ、15種類程度の金属に対しての検査が可能です。

具体的な手順としては、

1.パッチテスト用のシートに専用の試薬を使用して、腕や背中に貼ったままにしておく。
2.48時間後にシートを剥がし、判定を行う。
3.72時間後・96時間後の両方(あるいはどちらか1回)に判定を行う。
4.1週間後にも再度判定を行う。

と複数回にわたって、反応を観察し判定を行います。検査に伴う合併症として反応が強く出た場合に色素沈着が残る可能性や、検査を行うことで感作が成立し、新たにアレルギーを発症するリスクもあります。判定が難しいケースもあるため、自己判断はせず専門医の元で行うと良いでしょう。

金属アレルギーになった時の対処方法

金属アレルギーの症状が出現した場合は、痒みや皮膚炎を抑えるためにステロイド外用剤などで治療します。再発を防ぐためには、アレルギー反応が出てしまった金属を身に着けないことが最も重要です。一度金属アレルギーが出てしまった金属は、身に着けるたびに同じ症状が出るだけではなく、症状が悪化する恐れもあります。

金属アレルギーの症状が出やすい素材

4℃のピアス

金属アレルギーは、素材によって症状の出やすさが異なります。発症頻度が高い素材は、なるべく避けるようにすることが重要です。特に金属アレルギーが出やすい傾向にある素材を紹介します。

ニッケル

最も金属アレルギーの頻度が高い金属です。ニッケルメッキや合金に用いられ、ニッケル合金製品(バックル、腕時計、ジュエリー、ビューラーなど)、硬貨(50円玉、100円玉、500円玉)、歯科金属、ステンレス製品、陶磁器、磁石、塗料、ガラスなどに含まれています。

また全身性接触皮膚炎を起こすこともあり、その場合はニッケルを含む食品の制限を行うケースもあります。

コバルト

ニッケルと並んで頻度の高い金属です。ニッケルアレルギーのあるひとは同時にコバルトに対するアレルギーを持っていることも少なくありません。ニッケルメッキをされた金属にはほとんどコバルトが含まれているため注意しましょう。

クロム

合金、クロムメッキの他、染料の原料や皮をなめす際に使用されています。メッキ金属以外にも濃い服の衣服や皮革製品と接触した際に皮膚炎を起こす場合は、クロムアレルギーの可能性を考えましょう。

他の金属を含むゴールド

ゴールドはもともとアレルギーが起きにくいといわれていましたが、近年増加傾向にあります。金自体がやわらかく、加工するためにパラジウム、銅、ニッケルを使用しているケースもあるため、これらの金属にアレルギーがあるひとは注意が必要です。

金属アレルギーの症状が出にくい素材

水をモチーフにした4℃ピアス

金属アレルギーでもピアスを身に着けたい場合は、素材選びに注目してみましょう。金属アレルギーが出にくい素材のピアスを選べば、症状を予防できます。金属アレルギーの発症頻度が低い素材を紹介します。

プラチナ

希少性が高く、結婚指輪や婚約指輪にも人気の素材です。純度100%のプラチナはアレルギーの心配がほとんどありません。しかし、プラチナ100%はやわらかすぎるため、ジュエリーにはあまり用いられていないのが現状です。ピアスには、プラチナ950や900が多く使用されています。他の金属が少量含まれていますが、金属アレルギーを発症するリスクは低いといえるでしょう。

プラチナについては、こちらの記事も参考にしてみてください。

ゴールド

ゴールドには18K、24Kなど、さまざまな種類があります。数字は金の含有量を示しており、数字が高いほど金の量が多いため、アレルギー症状が出にくくなります。特に純金にあたる24Kは、金属アレルギーの症状がほとんど出ない素材といわれることもあります。

しかし、プラチナ100%と同様に24Kもやわらかいため、ジュエリーにはあまり使われません。ショップで販売されているゴールドジュエリーの中で金属アレルギーが出にくいのは、金の含有量が75%の18Kです。

18金のピアスについては、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。

金属アレルギーのひとがピアスを着ける際の注意点

4℃のパールピアス

金属アレルギーの症状を予防しながらピアスでおしゃれを楽しみたいなら、事前のチェックは欠かさないようにしましょう。ここからは、金属アレルギーのひとがピアスを着ける際、注意するべきポイントを解説します。

ピアスを着ける際は必ず素材を確認する

金属アレルギーでも、ピアスを着けることはできます。ただし、アレルギーのある金属を使用していないものに限ります。ピアスを使用する際は必ず素材を確認するようにしましょう。

ニッケルやコバルトのアレルギーの場合は、その素材が含まれているか調べられるスポットテスターという製品があります。これは、調べたい金属に検出液を塗り、色の変化を確認するものです。ニッケルまたはコバルトが検出されるとピンク色に変化します。コーティング剤も同梱されており、検出された場合は肌に触れないようにコーティングを行うことも可能です。

ファーストピアスは医療機関であける

ファーストピアスは市販のピアッサーを使って自分であける方法もありますが、金属アレルギーのあるひとは必ずピアスを取り扱っている医療機関を受診しましょう。受診前に金属アレルギーに対応したファーストピアスを使用しているか、問い合わせると安心です。

また、問診の際に金属アレルギーがあることを必ず伝えておきましょう。医療機関では金属アレルギーに対応したピアスを選べるだけでなく、清潔な環境でピアスを開けることができます。そして、万が一トラブルが起こった際に、すぐ相談できるというのが大きな利点です。

金属アレルギーによるトラブルを防ぐピアスの扱い方

4℃のダイヤモンドピアス

ピアスの扱い方に気を付けるのは、金属アレルギーの予防にもつながります。お気に入りのピアスを永く愛用するためにも、大切に扱いましょう。金属アレルギーの予防とピアスの劣化予防を両立できる扱い方をぜひ参考にしてみてください。

傷や湿疹がある時はピアスを着けない

傷や湿疹にピアスが触れると、物理的な刺激で症状が悪化する恐れがあります。また、バリアが失われた皮膚から金属が体内に入りやすくなり、アレルギーを発症してしまうかもしれません。ピアスホールがじくじくしている、首がかゆい、手に湿疹があるなど、トラブルが起こっている時はピアスを着けるのは避け、治ってから使用しましょう。

汗をかいたらこまめに拭く

汗により金属がイオン化するため、体内に入りやすくなります。汗をかいたらこまめに拭く、ピアスを外すなどの対策を行いましょう。

ピアスは寝る時に外す

ピアスを着けたまま寝てしまうと、寝返りなどでピアスホールが傷ついてしまうかもしれません。ファーストピアスを使用している場合は1日中装着が必要ですが、ピアスホールが完成した後は、就寝時にピアスを外すようにしましょう。

4℃のゴールド・プラチナピアス

4℃のピアス

4℃のジュエリーはすべてニッケル・コバルト・クロムを含んでいないため、これらのアレルギーがあるひとでも楽しんでいただけます。ただし、アレルギーが出にくい素材であっても先述したように扱い方や着け方には気を付けましょう。金属アレルギーに気を配りながら、お気に入りのピアスでおしゃれを楽しんでください。

イエローゴールドの一粒ダイヤモンドピアス

一粒タイプのダイヤモンドピアス。イエローゴールドの華やかな輝きとダイヤモンドのきらめきが美しく、シーンを選ばず身に着けられます。

ダイヤモンドとアクアマリンのピアス

ホワイトゴールドのしずくモチーフピアス。ブルーのカラーストーンがコーディネートをさわやかに彩ります。身い着けやすいサイズ感と、装いのアクセントとなるデザインが魅力的です。

3月の誕生石としても人気のアクアマリンについては、こちらもチェックしてみてください。

プラチナのフラワーモチーフピアス

ダイヤモンドで花を表現した可憐なピアス。女性らしいデザインに加え、プラチナとダイヤモンドの洗練された輝きが顔周りを明るく魅せてくれます。美しい煌めきは、エレガントな雰囲気を纏いたい時にも最適です。

素材にこだわれば金属アレルギーでもピアスは楽しめる

4℃のネックレスを着ける女性

金属アレルギーを持っていても、素材の選び方や扱い方に気を付ければ、ピアスは着けられます。安全な素材を使用したピアスで、ジュエリーコーディネートを楽しんでくださいね。

監修医:深野祐子医師

経歴

めぐろ皮膚科クリニック院長
日本皮膚学会認定皮膚科専門医、医学博士
1995年川崎医科大学卒業後、国内外の大学病院やクリニックで研鑽を積み
2014年めぐろ皮膚科クリニックを開設
一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広い診療を行っている。

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